掃き溜めの落書き

赴くままの連辞

9月下旬:弱く

否定

 学科のガイダンスがあった。学科は30から40人で、講堂に集められた。こういう時は大体前々から互いに知り合いだったような面々が三々五々にたむろして、特に知り合いのいない人はまばらに座る。後者の私は何も考えずに誰も座っていない席についた。会自体はそこまで長くなかったのだが、仲間を集めて自主ゼミをすることを推奨されていて嫌な気分になった。仲間の存在を仮定して話をするなと思った。

 特に知り合っている人がいないような集団で顔合わせをすると、比較的人と話すのが好きな人間は先に行動してそれだけでコミュニティを作る。残された会話弱者はそこで新しいコミュニティを作るか、交流を諦めて一人で行動するかが関の山である。もちろん一人で行動するよりない。

 教授の一人に「数学をするには一人では足りないことがありますか」と尋ねようとして、やめた。自分の行動が正しいことを自分より信頼できる人間に保証してもらうだけの質問を聞くような人間になったら終わりだと思っていたのだが、なっていた。終わりである。